ペアリング

ブルーのオスが死んでしまったのは、とても残念です。やっと昨年、成熟個体になって繁殖を成功させる事ができたのに…
このオスにとって、最初で最後の繁殖行動になってしまいました。
今後また、新なペアを入れようか悩み中です。
死んでしまった原因は、交接の時にメスにやられてしまった事です。
いつものように頃合いを見計らってペアリングさせましたがスムーズに行かず、相手を威嚇し、挟み合っていました。
今までの経験では最初は威嚇し合っていても見ていないうちに、いつの間にか交接している事があったので、一緒にして放っておけば(普段はトラブルを防ぐ為に個別飼育)そのうち交接するだろうと思っていました。ところが数時間して見てみるとオスの右側のハサミが開いたまま閉じなくなっていて、尚且つ、第1胸脚の関節を折り曲げたまま前に伸びなくなっていました。
これはメスと挟み合っているうちに、第1胸脚に無理がかかったのだと思いました。人間でいう所の捻挫や骨折みたいなものでしょうか。
それから暫くすると、体の下側が赤っぽく変色し、頭胸部と腹部に隙間ができて来ました。なんと脱皮の前兆が現れたのです。
こんな真冬に脱皮するなんて、普通はありません。メスに第1胸脚を痛め付けられた事で、それを回復させる為の脱皮を誘発させてしまったようでした。
体力の落ちてきている真冬に脱皮が成功するのか、とても心配でした。
そして案の定、脱皮は失敗しました。
脱皮に失敗する事、それはザリガニにとって死を意味します。辛うじて命を繋げても、その後の命は長くありません。
過信していました。
もっと慎重になるべきでした。
ペアリングがスムーズに行く時はオスとメスはお互いを確認し合うかのように触覚を前方に倒します。そしてオスはメスの第1胸脚を挟み、第2胸脚をメスの方に差し伸べるような動きをします。そのうちメスはオスに対して無抵抗になり人形のように動かなくなります。
一方、上手く行かない時はオスとメスは触覚を上に立てます。こうなるとメスはオスに対して無抵抗になる事はなく、ひたすら威嚇し続けたり逃げたりします。
それでも経験上、一緒にしておくといつの間にか交接しているのを見た事があったので、今回も安易に考えていたのですが、まさか死に追いやられるほど痛め付けられるとは思いもしませんでした。
10年以上、ザリガニを飼育していますが、未だに失敗しています。
なかなか難しいものですね…
ザリガニは相手を殺すほど、挟む力を持っているので、交接時にはよほど慎重になる必要がある事を再認識しました。
途中まで殻を脱いで来ましたが、抜けきれず力尽きました。
特に支障があった右側の第1胸脚には殻が食い込み抜けませんでした。

ニホンザリガニ研究所

ニホンザリガニの飼育、繁殖。北海道と東北の一部にのみ生息している絶滅危惧種。特に青いニホンザリガニはとても希少です。 2008年より、飼育を開始。これまでの飼育、繁殖を通じて感じた事や発見した事を綴っています。

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