シェルター

ザリガニという生き物は石や落ち葉の下、巣穴を掘って地中に潜り、身を隠す性質を持っています。
自然界では個々のザリガニが気に入る場所に隠れたり巣穴を掘ったりして過ごしているようです。
私がニホンザリガニを小川で見つけた時は石の下に隠れていて、見つけられてもその場でじーっとして、まるで石に擬態しているかのようでした。
飼育環境下ではどうでしょう。
巣穴を掘らせるような環境を作るのは、なかなか難しいので(室蘭水族館ではニホンザリガニが水槽のガラス面に沿って巣穴を掘っている様子を展示していました)、巣穴に変わるものを入れたりします。
例えば塩ビパイプとか、植木鉢なんかも使われたりします。
この人工の隠れ家は、どんな物でも良いという訳ではなく、ザリガニごとに好き嫌いというか、好みがあるようです。
隠れ家が入れてあるにもかかわらず、そこに落ち着く事なく水槽の隅を掘り下げたり、ウロウロしたりする事がありますが、理由としては隠れ家の材質や形状、サイズなどが合わない、などが挙げられると思います。
ただ、隠れ家が気に入らないという以前に、飼育環境が粗悪な為に隠れ家に落ち着かないという事もありますので、そういう疑いがありそうならチェックして改善する必要があります。
入れてある隠れ家を嫌うような行動は産卵期のメスにも見られます。
これから産卵して卵を守っていく為の場所選びは神経質になって当然でしょう。
産卵期のメスは隠れ家に落ち着くと、その入り口を砂利や落ち葉なとで完全に塞いでしまいます。なので、入り口が狭く中が広い「とっくり」のような隠れ家が向いていたりします。何にしてもザリガニの様子を見ながら色んな隠れ家を試してみるのが良いと思います。
全く落ち着かなかったザリガニが、ちょっとした変化を付けただけで、そこから出てこなくなるくらい気に入ってくれたりしますよ。

ニホンザリガニ研究所

ニホンザリガニの飼育、繁殖。北海道と東北の一部にのみ生息している絶滅危惧種。特に青いニホンザリガニはとても希少です。 2008年より、飼育を開始。これまでの飼育、繁殖を通じて感じた事や発見した事を綴っています。

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